コロナ後に問われる日本企業の「内部留保460兆円」と「公器の責任」

執筆者:鷲尾香一 2021年5月31日
エリア: その他
G20財務相・中央銀行総裁によるテレビ会議に出席した麻生太郎財務相。税制の国際協調には高いハードルがあるが、共通最低法人税率導入の道筋は見えてきた   財務省提供/©︎時事
欧米諸国で「法人税引き上げ」の動きが活発化している。新型コロナ対策で悪化した財政状況への対処が一義的な目的だが、トマ・ピケティが指摘したように法人税のあり方と富の偏在・格差拡大は深い関係を持っている。コロナ禍でも460兆円積み上がっている日本企業の内部留保を見れば、日本もこの議論を避けて通れないはずだ。

 3月末、ジョー・バイデン米大統領は、インフラ整備等に220兆円を投入する「米国雇用計画」を打ち出した。この中でバイデン大統領は、法人税率を 21%から 28%に引き上げることを盛り込んだ。

 同じ3月、英国でもリシ・スナック財務相が、新型コロナ対策の財源として、大企業向け法人税を現行の19%から23年度に25%に引き上げると発表した。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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