アフガン崩壊:米撤退でヨーロッパに広がる「憤り」と「無力感」

2017年12月、アフガニスタン・マザリシャリフに駐留するドイツ軍部隊を訪問したフォンデアライエン独国防相(現・欧州委員会委員長)。ISAF終了後も、ドイツはNATOの一員としてアフガニスタンに関与し続けた (C)EPA=時事
アフガン関与は「NATOの戦争」だったからこそ、米軍の一方的撤退に対する憤りが湧き出した欧州諸国。だが逆に、米軍が抜ければ作戦遂行が不可能、という事実も突き付けられた。一体化か、自律か――必要なのはこの20年の検証と総括だ。

 2021年8月15日のカブール陥落とその後の混乱状況については、世界中でさまざまな議論がなされているが、端的にいって欧州は、憤っている。そして、それでも状況を根本的には変えられないことへの無力感が増大している。

 憤っているのも、無力感にさいなまれるのも、その基礎にあるのは、欧州が過去20年にわたり、極めて深くアフガニスタンに関与してきたという事実である。欧州各国軍のアフガニスタン作戦での犠牲者数は、最多の英国の455名を筆頭に、欧州全体で1000名近くにのぼる。米軍の犠牲者数が2500名弱であることと比較しても、決して少なくない。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鶴岡路人 慶應義塾大学総合政策学部准教授。1975年東京生まれ。専門は現代欧州政治、国際安全保障など。慶應義塾大学法学部卒業後、同大学院法学研究科、米ジョージタウン大学を経て、英ロンドン大学キングス・カレッジで博士号取得(PhD in War Studies)。在ベルギー日本大使館専門調査員(NATO担当)、米ジャーマン・マーシャル基金(GMF)研究員、防衛省防衛研究所主任研究官、防衛省防衛政策局国際政策課部員、英王立防衛・安全保障研究所(RUSI)訪問研究員などを歴任。東京財団政策研究所主任研究員を兼務。著書に『EU離脱――イギリスとヨーロッパの地殻変動』(ちくま新書、2020年)など。
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