韓国政治に高まる「86世代勇退論」と「進歩」の黄昏

執筆者:朴眞煥(ぱく・じんふぁん) 2022年6月20日
タグ: 韓国
エリア: アジア
統一地方選の大敗を受け「共に民主党」執行部は総退陣。発言が波紋を広げた朴志玹氏(右)も共同非常対策委員長を辞任した=6月2日。左は尹昊重氏  (C)EPA=時事
大統領選で敗れた「共に民主党」は統一地方選でも大敗、韓国の進歩勢力退潮が一層顕著になっている。背景には、80年代に軍政という既得権の破壊者として登場した86世代が、いまや既得権者として指弾される現実がある。現代の韓国社会が抱える格差と差別、不平等は「86世代が想像すらできなかった」との声に、進歩勢力は応えることができるのか。

「進歩」が揺らいでいる。選挙に負け続けているのである。

   なぜ負けたのか。責任は誰にあるのか。この議論の中心には、今や韓国政治の主流となった「86世代(60年代生まれで、80年代に大学に入学した世代)」の政治がある。進歩政党の立て直しを任された20代の若い女性が打ち出した「86世代勇退論」が様々な論争を引き起こしている。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
朴眞煥(ぱく・じんふぁん) 報道番組ディレクター、ジャーナリスト。1975年韓国ソウル生まれ。韓国漢陽大校大学院卒業後、作戦将校として空軍に入隊(元空軍大尉)。2005年来日、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退、専門は文化人類学。韓国における軍事文化、徴兵拒否運動、反戦平和運動について研究を続け、筑波大学研究員を経て、2016年から現職(主に朝鮮半島情勢、日韓関係を取材しテレビやラジオ番組に出演中)。著作に「韓国の大学における軍事文化と日常-徴兵制をめぐる言説と予備役、現役、女子学生の実践」(『コンタクト・ゾーン』2:89-108.京都大学人文科学研究所)、「韓国社会の徴兵拒否運動からみる平和運動の現状」(所収:田中雅一編『軍隊の文化人類学』風響社)、「異文化で自文化を研究すること、語ること」(所収:神本秀爾・河野世莉奈・宮本聡編『ヒューマン・スタディーズ 世界で語る/世界に語る』集広舎)など。
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