香港「李家超・新政府」人事に見る「一国二制度」の未来
-「公務員治港」から「愛国者治港」へ-

執筆者:倉田徹 2022年7月14日
タグ: 香港 中国 習近平
エリア: アジア
香港返還25年の記念式典に出席する李家超新行政長官(左)と習近平国家主席(C)AFP=時事
李家超行政長官をトップとする香港新政府が発足した。武官と愛国者が重用される布陣から見えるのは、習近平・中央政府の「国家の安全」への強い志向性だ。

 

 7月1日、香港では習近平国家主席を迎えて返還25周年式典が開催された。同時に同日就任する李家超(ジョン・リー)行政長官をはじめ政府高官は、習近平の前で宣誓儀式を行い、新しい香港政府の首脳陣が職務を開始した。 

 李家超の周囲を固め、李家超を下から支える「統治チーム」と称される高官の人事全体を見ると、香港政府内部での権力構造の変動が見て取れる。それを通じて、北京が香港の将来をどう構想しているのか、そして香港政府がそれにどう応じようとしているのかを見てみよう。 

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
倉田徹(くらたとおる) 立教大学法学部政治学科教授。専門は現代中国・香港政治。1975年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了、博士(学術)。香港日本国総領事館専門調査員、日本学術振興会特別研究員、金沢大学人間社会学域国際学類准教授を経て、2013年から現職。 主な著書にサントリー学芸賞を受賞した『中国返還後の香港――「小さな冷戦」と一国二制度の展開』(名古屋大学出版会、2009年)、『香港 中国と向き合う自由都市』 (共著、岩波書店、2015年)、『香港の過去・現在・未来 東アジアのフロンティア』(勉誠出版、2019年)、『香港雨傘運動と市民的不服従 「一国二制度」のゆくえ』(社会評論社、2019年)、『香港危機の深層 「逃亡犯条例」改正問題と「一国二制度」のゆくえ』(東京外国語大学出版会、2019年)。
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