ロシア・ウクライナ戦争:戦局の転換――第二次ハルキウ反攻はなぜ成功したか

執筆者:高橋杉雄 2022年10月3日
エリア: ヨーロッパ
地面が凍結する冬季にはまた戦況が動く可能性がある(部隊がリマンに入ったと述べるゼレンスキー大統領、ウクライナ政府公式配信動画より)
9月上旬のハルキウ反攻が劇的成功を収めるプロセスは、アメリカの供与したHIMARSが戦略的余裕をもたらしたことから始まっている。成功の要因を戦略・作戦・戦術各レベルで検証するとともに、戦局転換が欧米の「ウクライナ疲れ」、ロシア国内の政治環境、そしてプーチンの核兵器使用に与える影響を分析する。

 今年2月の開戦以来、ウクライナでは激戦が繰り広げられている。4月下旬から5月中旬に展開した東部のドンバス(ルハンシク州、ドネツク州)会戦では、ウクライナがロシア軍の突破を食い止めた。それからロシアは火力重視の戦い方を徹底するとともに、攻勢をルハンシク州に集中し、セベロドネツクを陥落させた。引き続いて全体の戦局が膠着する中、8月末にウクライナが南部ヘルソン州で反攻を開始。南部戦線に世界中の関心が向かう中、ウクライナは意表を突く形で、9月上旬に北部ハルキウから電撃的な反攻を仕掛けた。ロシア軍が潰走状態となって撤退したこともあり、ウクライナはハルキウ州のほぼすべてを奪回。開戦後最大のウクライナの反攻作戦の成功となった。この劇的な反攻作戦はなぜ成功したのか。そして今後にどのような影響を与えるのか。

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カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
高橋杉雄 1972年生まれ。防衛省防衛研究所防衛政策研究室長。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、ジョージワシントン大学コロンビアンスクール修士課程修了。専門は現代軍事戦略論、日米関係。共著書に『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房)、『「核の忘却」の終わり: 核兵器復権の時代』(勁草書房)など。
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