*佐伯啓思氏の講義をもとに編集・再構成を加えてあります。
「大人」がいなくなった
岩田泰征 オルテガは大衆社会の特徴を「学校から抜け出した子供の大騒ぎ」と表現しました。実際に、社会を支える規律、規範が、既得権益打破とかポリティカル・コレクトネスの名のもとに解体され、誰も大人になれない世の中が到来していると思います。「文藝春秋」の2023年1月号にお書きになった『「日本の自殺」を読み直す』という論考でも、エリートの没落や大衆社会の幼稚さに触れていらっしゃいました。

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