台湾総統選:米中双方としたたかに渡り合える候補者は誰か

執筆者:福田円 2023年5月23日
タグ: 台湾
エリア: アジア
民進党の頼清徳党首は「台湾独立」への言及を封印し、「蔡英文路線」の継承を明言するようになった(C)EPA=時事
来年1月の台湾総統選は、支持率でリードする与党民進党の頼清徳候補に、野党国民党と第三勢力の民衆党が挑む。民意が求めるのは、米国との信頼関係を維持しつつ中国との緊張関係を緩和し、米中対立の国際情勢の中で台湾を守ることができるしたたかなプレイヤーだ。しかし、いずれの党にも課題がある。

 

 台湾は与党民進党と野党国民党の二大政党制であるが、中央政治のレベルでは両党の固定的な支持率に差がつき始めており、他方で中間寄りの国民党支持層を取り込むようなかたちで第三勢力である民衆党が支持を伸ばしつつある。調査機関や時期によって世論調査結果には違いはあるが、民進党は30から35%、国民党は20から25%、民衆党は15から20%の支持層を持つと考えられる。民進党が惨敗した昨年の統一地方選挙後、同党の支持率は大きく下がったが、4月までにこの構図はほぼ回復した。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
福田円(ふくだまどか) 法政大学法学部国際政治学科教授。専門は東アジア国際政治史、現代中国・台湾論。1980年生まれ。国際基督教大学教養学部国際関係学科卒業後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程を経て、同研究科後期博士課程単位取得退学。法政大学法学部国際政治学科准教授を経て2017年より現職。主な著書に『中国外交と台湾―「一つの中国」原則の起源』(2013年、慶應義塾大学出版会)がある。
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