饗宴外交の舞台裏 (142)

首脳の威信をも揺さぶるオリンピック招致外交

 二〇一六年夏季五輪の開催地をめぐり、候補四都市の首脳らは国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれたコペンハーゲンに乗り込み、華々しく五輪首脳外交を展開した。最終的にブラジルのリオデジャネイロに決まったが、この結果が各首脳の威信と指導力にどう響くかはもう一つの見どころだ。 スペインのカルロス国王とブラジルのルラ大統領は、最初からIOC総会出席を決めていた。オバマ米大統領はミシェル夫人を派遣することにしていたが、最終段階で出席を決めた。鳩山由紀夫首相もG20金融サミットから帰国直後に参加を決定した。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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