フィリップ・トルシエ(サッカー日本代表監督) 二〇〇二年W杯をステップボードにフランス代表監督を目指す
「フランスでのトルシエは、(一九九八年ワールドカップで地元フランスを初優勝へと導いた監督)エメ・ジャケのような有名人とは言えません。しかし、サッカー界での評価は高い。次期フランス代表監督の候補としても、五人のうちの一人には数えられる」 そう語るのはサッカー日本代表監督を務めるフィリップ・トルシエ氏の故国、フランスを代表するスポーツ紙「レキップ」のジェローム・トウブラ記者だ。 W杯決勝の翌日、百万人の市民がシャンゼリゼ通りを埋めた、フランス代表チームの優勝パレードは記憶に新しい。二大会続けて欧州予選で敗退していたチームを再建し、W杯を勝ち取ったジャケ監督は、さながら二百年前、イタリア遠征からパリに凱旋した将軍ナポレオンのような国民的英雄となった。その地位を、野心家として知られるトルシエ氏が狙わないはずがない。
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