遅すぎた松下幸之助神話の破壊

執筆者:安西巧 2001年11月号

“経営の神様”が作り上げた制度は次々破壊され、創業家の地位も低下……。V字回復を目指す中村改革が頓挫すれば、もはや暗澹たる未来しかないのか。「再生に向けて分に応じた負担を~松下幸之助vs.石原慎太郎」 十月半ば、全国紙朝刊にこんな見出しの雑誌広告が出た。 経営の神様・松下幸之助が死去して十二年。片や、今をときめく東京都知事の石原慎太郎。「マルクスvs.スターリン」といった架空対談の類かと思いきや、実はこれ、二十六年前に実際に行なわれた対談の再録。PHP研究所が発行する「季刊・松下幸之助研究」二〇〇一年秋季号のメインタイトルの一つである。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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