六カ国協議を機にロシアの親北朝鮮姿勢は影をひそめた。友好国の離反で一段と北朝鮮の孤立は深まっている。[モスクワ発]ロシアの次期駐日大使に決まっているロシュコフ外務次官(アジア担当)は内心、北朝鮮の金永日外務次官に怒り心頭だったに違いない。八月末の北京での六カ国協議でコケにされたからだ。 ロシアが朝鮮問題の多国間協議に参加するのは初めてとあって、ロシア外務省は並々ならぬ意欲を見せた。事前にすべての国と折衝を行ない、北京にも一番乗りした。核開発中止の見返りに、多国間で北朝鮮の安全を保証するとの提案を掲げ、「米朝の仲介役」を任じて臨んだ。ロシュコフ次官は北京で、金次官との個別会談を真っ先に求めた。

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