リップルウッドの意外な“低空飛行”

執筆者:安西巧 2003年11月号
タグ: 日本

日本進出以来最大となった日本テレコム買収を成功させたが、その資金力に陰りもみえて…… それまで淡々と進んでいた記者会見の場に一瞬、緊張が走った。「米国ではあなた方の脱税問題が取り沙汰されているが」「我々は会計事務所の指示に従ってきちんと処理していた。トラブルやスキャンダルといった類の出来事ではない」 記者の質問に大物の風格そのままに落ち着き払って答えたのは、国内固定電話第三位、日本テレコムの取締役会議長に就任することが決まったウィリアム・エズレー。十月一日、ホテルオークラで開かれた記者会見の席上である。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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