米国の首都ワシントンのポトマック河畔の桜が今年100周年を迎えた。1912年、日本から3000本の桜の苗木が寄贈、植樹され、日米友好親善の象徴となってきた。今年は3月末から1カ月間、ポトマック河畔を中心に、全米で例年以上に盛大に桜祭りが繰り広げられる。 米国向けはその先駆けといってもいいだろうが、「友好親善に」「日本の思い出に」「国交回復〇〇周年の記念に」と、桜の海外植樹は衰えを知らない。贈る側も政府、地方自治体、各種団体、個人寄贈などさまざまだ。「わが国にもぜひ」と外国側から求めてくることもある。 桜ほど外国に通じやすい日本のイメージはない。美しい四季と風土、日本人の生き方、平和愛好国家……。こうしたさまざまな日本のイメージを桜が象徴する。「桜を贈る」というと企業や関連団体のスポンサーも付きやすい。“桜外交”は日本の専売特許である。

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