中露の接近、とりわけ中国の台頭に要注意 (C)AFP=時事
中露の接近、とりわけ中国の台頭に要注意 (C)AFP=時事

「米イラン関係は転機を迎えるときに来ている」――

 9月の当コラムでそう予測したら、執筆時から半月足らずで事態は大きく動き出した。穏健派のロウハニ師が大統領に選ばれたのを機に、オバマ米政権は断交33年のイランとの対話路線に大きくカジを切った。制裁の影響で経済危機に陥っている窮状から抜け出したいイラン側と、思惑が一致した。

 オバマ・ロウハニ両大統領は国交断絶(1980年)以来、はじめて電話会談し(9月27日)、非公式ながら両国外相会談も行なわれた。10月半ばのイランと米欧など6カ国による核開発をめぐる協議では、イランが詳細な提案を行ない、共同声明が発表されてイラン提案は「重要な貢献」と評価された。いずれも歴史的な動きだ。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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