マレーシア機撃墜:“予言”は当たったのか?

執筆者:国末憲人 2014年7月19日
エリア: ヨーロッパ

 7月15日付「ヨーロッパの部屋」に執筆した「クリミアへの旅(1)キエフの逆襲はあるか」の中で、ウクライナの軍事評論家オレグ・ソースキン氏のインタビューを紹介した。彼は、様々なメディアの取材に応じて近々起きそうな出来事を「予言」し、的中させることで知られている。

 筆者の知人が2月半ばにインタビューした際には「近々キエフで大規模な殺戮が起きるだろう」と述べたそうだ。その時は、マイダンでの民主化デモが沈静化していた時で、知人も半信半疑だった。ところがその翌日、民主化運動が一気に盛り上がり、治安部隊の発砲、市民の反発、ついにはヤヌコヴィッチ大統領の逃亡、という政変につながった。予言は見事に当たったのである。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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