80時間世界一周 (39)

アモイを席捲した台湾企業の経営者が悩む「二家族問題」

執筆者:竹田いさみ 2007年11月号
エリア: アジア

 中国のホテルにチェックインすると、フロントで正真正銘の「シングリッシュ」の洗礼を受けた。「シングリッシュ」とは、シンガポール人が操る英語のこと。福建語や広東語の強いアクセントが加味され、文法を超越して単語が徹底的に短縮された、独特の英語である。 経済特区アモイのホテルに、シンガポール人の従業員がいるのは何故か。尋ねてみると、数世代前の祖先がアモイ出身であったため、地縁と血縁を頼りにやってきたとの話であった。 日本人にとってアモイは、鄭和や鄭成功が活躍した古都として記憶されているはずだ。中国の都市名は日本語表記では普通は漢字が使われるが、福建省の港町アモイ(厦門)は、日本ではあまり使わない漢字でもあり、カタカナ表記されることが多い。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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