菅直人首相と小沢一郎元幹事長の一騎打ちとなった民主党代表選は菅首相の勝利で終わった。両氏の意見が食い違っている消費税導入の是非や地方自治体への 一括交付金、米軍普天間飛行場移設問題などが争点となるとみられた選挙戦だったが、これらの政策論争はおしなべて低調だった。むしろ、民主党政権の行方を 占う上で、より重要だったのは、2人の政局観の違いである。注目すべき点は、今の衆参ねじれ国会をどのように乗り切るのかという展望において、菅首相が小 沢氏と比べてはるかに甘い見通しをもっていたことだ。これは政権が窮地に追い込まれかねない重大なポイントである。

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