電力会社の呆れた体質がまた明らかになった。玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働を巡る「やらせメール」問題でいまだに立ち往生している九州電力。真相究明のために自ら立ち上げた第三者委員会の調査結果を無視しただけでなく、1度は引責辞任を国会で表明した社長がその後辞意を撤回。所管大臣と対立し、地元住民やメディアの批判が渦巻いている。原発再稼働のメドは立たず、代替燃料費の急増で赤字が日に日に膨らむ。社内の動揺は広がり、取引金融機関も距離を置き始めた。混乱の中心にいるのは地元財界トップの座にあるワンマン会長と“股肱之臣”である社長。保身とメンツにこだわる彼らの頑な姿勢が会社を空中分解の瀬戸際に追い込んでいる。

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