9月下旬、日露学術報道専門家会議代表団に参加して1週間モスクワに滞在し、ロシアの学者・専門家らと会った。中間層の反プーチン集会で追い詰められたプーチン氏が、当選後に異例の涙を流した3月の大統領選から半年。モスクワは平穏で、市民の表情も比較的穏やかだった。一方で、改革や近代化は進まず、閉塞感が強まっていた。今のロシア政治に魅力は乏しい。
9月15日に全国の50都市で一斉に行なわれた反政府デモは、主催者側発表ではモスクワで15万人が参加したとしているが、実際には2万人に届かなかった模様だ。大統領選前、毎回10万人規模に膨れ上がった熱気は失せ、抵抗のシンボルである白いリボンを見ることもなかった。

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