ロムニーの大失態「47% 発言」からの挽回を目指す米共和党

執筆者:足立正彦 2013年2月18日
エリア: 北米

 2012年大統領選挙キャンペーンが本格化していた昨年9月に発覚したミット・ロムニー共和党大統領候補の「47%発言」。バラク・オバマ大統領に投票する47%の有権者は事実上無視すると述べたロムニー氏の発言が録画されてネットに広く出回り、ロムニー陣営に大打撃を与えた発言だ。ロムニー氏はこの中で、「47%の有権者はオバマ大統領に何があっても投票し、これらの有権者は政府に依存し続けており、所得税も払っていないが、こうした有権者のことは心配していない」と述べていたのである。また、大統領選挙敗北直後の昨年11月14日に行なわれた大口献金者との電話会議では、ロムニー氏は自らの敗因について、「バラク・オバマの選挙キャンペーンは、アフリカ系、ヒスパニック系、若年層に対し『ギフト(“gifts”)』(医療保険制度改革関連法の成立、不法移民を親に持つ子女の本国への強制送還停止の大統領令署名、学生ローン債務の負担軽減措置の導入など)を与えていたためである」と発言し、各方面から一斉に批判が沸き起こった。共和党内からもボビー・ジンダル・ルイジアナ州知事、スコット・ウォーカー・ウィスコンシン州知事、リック・スコット・フロリダ州知事、ボブ・マクドネル・ヴァージニア州知事らの保守派の州知事やエド・ロジャーズ、スティーブ・シュミットらといったストラテジストからもロムニー批判が行なわれた。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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