やはり「兄弟の争い」となった西武問題の因縁と背後

執筆者:安西巧 2005年3月号
タグ: フランス

弟たちの告発により「骨肉の争い」と化したのは案の定というべきか。しかし、西武崩壊劇にはまだ先の展開がありそう。二号にわたってレポートする。 西武グループの解体が始まった。主力銀行が主導する西武グループ経営改革委員会(改革委)は一月末、債務超過の危機に瀕する中核会社コクドを会社分割し、一部を西武鉄道と合併させると発表。コクドの一〇〇%子会社プリンスホテルも合併会社が吸収するという。赤字のホテルやゴルフ場の売却先として内外の投資ファンドの名も浮上してきた。 オーナーの地位返上を迫られている創業家の二代目、堤義明(七〇)は自身の逮捕も取り沙汰される西武鉄道株のインサイダー取引疑惑で身動きが取れず、かろうじて、「検討のために一カ月の猶予を」と改革委委員長(太平洋セメント相談役)の諸井虔(七六)に求めた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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