深刻な低迷続く“AVメーカー御三家”問題の深層(シャープ編)

執筆者:安西巧 2014年4月15日
エリア: アジア
 郭台銘氏の強力なリーダーシップと求心力で「堺ディスプレイ」は黒字化したが、それでもシャープの苦境に変わりはない (C)AFP=時事
郭台銘氏の強力なリーダーシップと求心力で「堺ディスプレイ」は黒字化したが、それでもシャープの苦境に変わりはない (C)AFP=時事

「経済一流、政治は二流」――。

 高度成長期からバブル期に至る1960-80年代、世界へ躍進する日本企業とは裏腹に、永田町の相も変わらぬ派閥政治や金権体質を揶揄してこんな言い回しが流行った。日本経済の絶頂期を演出したバブルが崩壊して20年余り。政治は「二流」のままだが、「一流」とされた経済のグローバル水準が危うくなっている。エレクトロニクス産業の「デジタル敗戦」は、まさにその象徴。日本の製造業の現況を表現すれば、「技術一流、経営は二流」と言い換えられるが、とりわけAV(音響・映像)家電大手“御三家”の一角、シャープにはそのフレーズがぴたりと当てはまる。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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