好調・住友不動産「立ち退き不要」の役員室

執筆者:安西巧 2006年12月号
タグ: 日本

大手不動産三社の中で株価はダントツの首位。収益力も上昇の一途なのに、「業界の盟主」になるとの観測は聞こえて来ない。一体なぜなのか。 三大都市圏の基準地価が十六年ぶりに上昇し、東京や大阪のオフィスビル賃貸料の相場もうなぎ登り――。このところ土地バブル再来を予感させる事象にこと欠かない。株式市場に目をやれば、一九八〇年代後半の狂乱地価の記憶を否応なく呼び覚ます銘柄にしばしば遭遇する。その一つが住友不動産だ。二十年前、東京・神田や西新宿でオフィスビル用地を強引に買い集め、担当社員が「大卒キャリアの地上げ屋」と呼ばれていた、あの会社である。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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