「中国向け輸出」は急減「スイス高級時計」で計る世界経済の趨勢

 上海株の急落に端を発した世界的な株式市場の動揺が、高級品の消費に影を落とし始めた。スイス時計協会がまとめた今年7月の全世界向け時計輸出額が19億170万スイスフラン(約2340億円)と、前年同月に比べて9.3%も下落したのだ。1月から6月までは累計で0.4%増とかろうじてプラスを保っていたのだが、7月は状況が一変した。

 その最大の理由は、中国向け輸出に急ブレーキがかかったこと。1~6月は前年同期比5.3%増と伸びていたものが、7月は単月で39.6%減と激減したのだ。6月の上海株の急落を受けて、高級時計のディーラーが一気に輸入を絞ったのだろう。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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