国際人のための日本古代史 (67)

日本列島に辿り着いた人々

執筆者:関裕二 2015年10月13日
エリア: アフリカ アジア

 2015年ラグビーワールドカップでベスト8入りこそ逃したものの、日本は南アフリカを破り、歴史的快挙と称賛された。大会出場チームの中で最も体の小さな日本が、優勝候補の強豪チームを打ち倒したのだ。しかも、これまでワールドカップで1勝しかしていない日本が、である。
 日本のラグビーの歴史は、体の大きな相手といかに闘うか、その研鑽工夫の日々だった。大西鐵之祐(元ラグビー日本代表監督、早稲田大学ラグビー部監督)は「展開、接近、連続」の理論を打ち立て、これを実践し、昭和43年(1968)年にラグビー王国ニュージーランドに遠征した際、オールブラックスジュニアに23対19で勝利し、世間をあっと言わせた。「ジュニア」とはいえ、ニュージーランドにとっては、屈辱的な出来事だった。さらに3年後、来日したイングランド代表を、3対6のスコアまで追い詰めた。
 現ラグビー日本ヘッドコーチのエディ・ジョーンズ(母は日系アメリカ人2世)も、大西鐵之祐と同じ宿題に取り組み、南アフリカ戦でその成果を見せたのである。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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