その差0.24ポイント(4万2000票)という、まさに国を二分する大激戦だった。6月5日投票が行われたペルー大統領選挙(決選投票)は、現地時間10日、ケイコ・フジモリ氏が敗北を認めたことで、約1週間にわたった開票劇の幕が降りた。
前回5年前の決選投票と同様、またしても父親のアルベルト・フジモリ元大統領の影に翻弄され、親子2代の日系大統領、ペルー初の女性大統領の誕生が阻まれた。
だが、この日系の女性政治家が、党首として2度の決選投票を接戦の内に戦い抜き、まさにペルーの政治史を塗り替える偉業を成し遂げた事実に変りはない。次政権においても、最大政党の党首という最も影響力のある政治家として、その挙動がペルーの命運を左右することになる。

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