欧州統合の発想は、ロベール・シューマン仏外相の提案「シュ-マン宣言」を基礎とする欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、その後1958年に発効したEEC設立条約(ロ-マ条約)に受け継がれていった。シューマンが1950年にラジオでシューマン宣言を発表した5月9日は「ヨーロッパ・デー」としてEUの記念日(ナショナル・デー)となっている。それは2つの大戦争の背景となった独仏の和解を前提としたヨーロッパの平和のための構想であった。石炭鉄鋼は当時の基幹産業である。それを、独仏が伊・ベネルクス3国とともに共有するということは、当時としては大変な画期的出来事であった。
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