軍事のコモンセンス
(3)
「自衛」と「安全保障」(上)
「日米戦争は日本の自衛戦争だったのか?」――インターネット等で調べると、この質問に「そのとおり、自衛戦争だった」と答えている日本人が多数いる。他方、「自衛戦争などと言える筈もない」という異見もかなりある。その賛否両論ともに、その論拠を1951年の米上院軍事外交合同委員会におけるマッカーサー証言においているものが多い。
即ち、朝鮮戦争における国連軍司令官兼米軍総司令官を務めたマッカーサー元帥が対中国戦指導についてトルーマン大統領と対立、解任された後に米上院において述べた言葉の解釈が、この2つの意見の分かれ目になっているのだ。
問題のその部分を読んでみよう。

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