
11月27日、キューバの首都ハバナで、市街地に掲げられた故フィデル・カストロ前国家評議会議長の写真と、翻る半旗 (C)AFP=時事
半世紀にわたり、キューバの革命体制を指揮してきたフィデル・カストロ前国家評議会議長が死去した。11月25日、90歳であった。
フィデル前議長は、1959年1月革命政権を樹立して以来、フロリダ海峡を挟んで目と鼻の先の超大国アメリカによる侵攻や経済封鎖に抗し、その圧倒的な指導力とカリスマ性をもって共産党一党独裁体制を堅持。ソ連崩壊後は、最大の後ろ盾とその援助を失う試練を乗り越え、「悪の枢軸」と非難するブッシュ政権の制裁圧力にも耐えた。21世紀にはベネズエラの支援で苦境を凌ぎ、グローバル化の進展する中で中国方式やベトナム方式の市場経済化をも拒み、カリブの社会主義の弧塁を守り抜いてきた。

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