読者のみなさまの「ご意見」から考えたこと

中国市場でのドイツ製品の好評には歴史的背景があった(C)AFP=時事

 

 前回の拙稿(2017年5月25日「読者のみなさまへの『回答』に代えて」)に対し、読者の方から寄せていただいた長文のご意見に接し些か考えるところがあり、以下を綴ってみました。

中国での「ドイツ製品」優位のワケ

 明治38(1905)年の3月から7月というから、日露戦争における奉天会戦に続く日本海海戦の大勝に日本全国が沸き返っていた頃、山川早水は湖北省宜昌から長江を遡り、成都、嘉定、重慶など四川省各地を歩いていた。その旅の記録である『巴蜀』(明治42年 成文館)には、ドイツ製品が四川省一帯で受け入れられるに至った経緯が綴られている。ちなみに山川については、清国末年の「四川高等学堂」日本語教師という以外、生没年を含め不明だ。

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執筆者プロフィール
樋泉克夫(ひいずみかつお) 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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