「チェルノブイリ」立ち入り制限区域に暮らす「サマショール」たち

執筆者:国末憲人 2017年8月31日
タグ: 国連 日本 原発
エリア: ヨーロッパ
2009年に撮影したプリピャチ市内から見たチェルノブイリ原発(筆者撮影、以下同)

 

 1986年に起きた旧ソ連(ソヴィエト社会主義共和国連邦)のチェルノブイリ原発事故は、放射能による被害を広範囲にもたらした。特に周辺地域の汚染は激しく、地元ウクライナではおおむね半径30キロが「立ち入り制限区域」に指定され、人々の居住が原則として禁止された。これに含まれる178の村で生活を営んでいた約12万人の住民たちは、大都市のキエフ近郊などに避難させられ、そこで新たな生活を築くことになった。

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執筆者プロフィール
国末憲人(くにすえのりと) 東京大学先端科学技術研究センター特任教授 1963年岡山県生まれ。85年大阪大学卒業。87年パリ第2大学新聞研究所を中退し朝日新聞社に入社。パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長、朝日新聞ヨーロッパ総局長などを歴任した。2024年1月より現職。著書に『ロシア・ウクライナ戦争 近景と遠景』(岩波書店)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(いずれも新潮社)、『イラク戦争の深淵』『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(いずれも草思社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『テロリストの誕生 イスラム過激派テロの虚像と実像』(草思社)など多数。
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