国際人のための日本古代史 (99)

あえて言う「やはり土俵は女人禁制」

執筆者:関裕二 2018年5月8日
タグ: 日本
エリア: アジア
舞鶴市での一件後に行われた宝塚市の巡業でも、女性である中川智子市長が挨拶で土俵に上がれなかったことに批判が集まったが……(C)時事

 

 土俵の女人禁制は女性蔑視で前近代的だと、批判が集まっている。グローバリズムの波に逆行しているし、男女平等という人類の理想とかけ離れているというのだ。確かに、京都府舞鶴市の一件は、間違った判断だった。また、歴史をふり返れば、「女性も相撲を取っていたのだから、女人禁制は矛盾している」、という主張もある。

 しかし、蛮勇を振り絞って、ここは反論してみたい。女人禁制は、一般に信じられているような「血の穢れ」が理由ではないと思うからだ。そして、当の日本相撲協会自身も、女人禁制の歴史的背景を理解していないから、混乱を招いていると思う。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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