岩瀬昇のエネルギー通信 (61)

加熱する「米中貿易戦争」終着点への懸念

執筆者:岩瀬昇 2018年8月7日
エリア: 北米 中東 アジア
まだこの頃はケンカしていなかった(2017年11月の訪中時)(C)AFP=時事

 

 現在の原油市場における最大の不確定要因は、米中貿易戦争の行方と世界景気への影響だろう。

 これまでにも指摘しているとおり、価格動向を左右する基本的要因は需給バランスだ。正確に言えば、市場参加者が、売買を行うにあたって将来の需給バランスをどう読むかということだが、いずれにしても基本に需給バランスがあるということだ。

 では、将来の需給バランスに影響を与えるファクターは何があるのだろうか。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top