岩瀬昇のエネルギー通信
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「イラン原油輸入禁止」で米国が表明する同盟国「代替供給源」の真贋

言うだけは言うが、本当に実行するかどうかは別問題(C)AFP=時事
筆者がテヘラン勤務をしていた1996年から98年、イランは極度の外貨不足に苦しめられており、物品の輸入量が大幅に減少していた。商社としての仕事も、原油や絨毯など、イランからの輸出は問題ないが、鉄鋼製品、化学品、機械部品、あるいはタイヤやタバコなどの物資の輸入は困窮を極めていた。ある物品の輸入契約をしたものの「中央銀行から外貨割り当てが得られること」を条件とせざるを得ないため、契約がなかなか履行されず、だいぶ時間が経って、該当商品の市況が高騰し、契約価格より高くなったときに「外貨割り当てが得られた」として、賢いバザール商人に契約履行を迫られるなど、翻弄されることが多々あった。

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