「石油産業崩壊」「国民200万人脱出」ベネズエラ惨状で「油価」どうなる

どうするつもりなのか(マドゥロ大統領)(C)EPA=時事

 

 サウジアラビア(以下サウジ)のジャーナリスト、ジャマール・ハーショクジー(日本語では「カショギ」と表記されることも多い)氏殺害事件が石油市場に及ぼす影響は、短期的にはほぼないと見ていいだろう。サウジは、「石油を政治の武器として使用する意図はない」と明言しており、焦点は、ムハンマド・ビン・サルマーン皇太子の関与が認定されるかどうかに絞られてきたからだ。

 トルコが所持していると言われる殺害時の音声テープやビデオなどの「証拠物件」なるものは、あるとしても国際法上、不法に入手したもので、公にすることは自らの首を締めることになる類のものなのだろう。だから、サウジとアメリカという、本事件に深い関わりを持つ国の治安・外交関係者・指導者のみが認知して、それに基づいた行動を取ってくれれば、トルコとしてはそれ以上の追求をしない、ということなのではなかろうか。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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