日本人全般の知識水準は、江戸時代に大きく向上した。「泰平の眠り」を貪っていた、という近世とは、そうした時代でもある。まず漢学の普及から漢語の素養がひろがって、知識人が漢字・漢文を駆使して思考、表現できるようになった。そして一般の識字率も上昇してゆく。
そんな漢学に継いで勃興したのは蘭学であり、日本人はそこから西洋の学術・事物を摂取しはじめた。そしてそれとほぼ並行して、自国の伝統文化を発見し、研究する国学も、急速に発展したのである。
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