会談決裂「トランプvs.金正恩」(下)合意拒否を後押しした「コーエン議会証言」

執筆者:平井久志 2019年3月11日
3月2日、ベトナムから帰国の途につく金正恩党委員長。その後の動きが注目される (C)AFP=時事

 

 北朝鮮が要求した「寧辺核施設廃棄と国連制裁5件解除」という取引はあまりにも欲張ったもので、米国が受け入れる可能性はなかったと思うが、もう少し低いレベルの合意は不可能だったのだろうか。例えば寧辺の一部施設の廃棄と、終戦宣言や連絡事務所の設置などを取り引きし、制裁の解除や緩和は今後の協議に委ねるという選択だ。

「スモール合意」はできなかったのか

 これに対してドナルド・トランプ米大統領は、会談後の記者会見で「何らかの署名をする可能性はあった。実際に文書を準備していたが、それはふさわしいものではなかった。私は事を急ぐよりも、正しく行いたい」と述べた。

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執筆者プロフィール
平井久志 ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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