
かつて、日本製テレビは世界を席巻したが……(C)時事
21世紀初頭までモノづくりへのこだわりを世界の産業界で最も強く持っていたのは、日本企業だっただろう。より優れた機能を持った製品、消費者をあっと言わせる製品、細部まで気持ちのこもった製品をつくっていたのは日本企業だった。
だが、中国、韓国、台湾メーカーなどとの競争激化で、日本メーカーは製品での競争よりも、素材、デバイスでの戦いに軸足を踏み換えた。製品が「コモディティ化」すればコストでかなわない、技術進化はもう起きないという言い訳だった。パソコン、薄型テレビ、スマホなど撤退は続いた。

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