『ロケット・ササキ』外伝(2)「MOS-LSI電卓」を作った「吉田幸弘」

執筆者:大西康之 2019年4月10日
エリア: 北米 日本

 吉田幸弘は中学、高校時代に腎臓病を患い、社会人になるまで治療を受け続けた。スポーツはからっきしで、国語や社会の授業は苦痛で仕方なかったが、数学には特異な才能を見せた。高校生の頃には独学で大学レベルの高等数学をマスターし、教師を驚かせた。必然的に、大学は数学と物理で受験できる同志社大学の工学部を選んだ。

「少し変わっているが、頭は飛び切りいい」

 大学では論理数学を専攻し、当時最先端だった「多値論理」にハマった。このころの同志社では、京都大学の教授を退官した電子材料研究の大家・阿部清が工学部の教授をしていた。阿部は、日本でいち早く金属材料に代わる半導体材料としてシリコン樹脂の重要性に気づいた研究者であり、日本の半導体産業の黎明期に大きな足跡を残している。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
大西康之 経済ジャーナリスト、1965年生まれ。1988年日本経済新聞に入社し、産業部で企業取材を担当。98年、欧州総局(ロンドン)。日本経済新聞編集委員、日経ビジネス編集委員を経て2016年に独立。著書に「稲盛和夫最後の闘い~JAL再生に賭けた経営者人生」(日本経済新聞)、「会社が消えた日~三洋電機10万人のそれから」(日経BP)、「東芝解体 電機メーカーが消える日」 (講談社現代新書)、「東芝 原子力敗戦」(文藝春秋)、「ロケット・ササキ ジョブズが憧れた伝説のエンジニア・佐々木正」(新潮文庫) がある。
クローズアップ
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
キャリア決済のお申し込み
フォーサイトのお申し込み
クローズアップ
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 最新コメント
  • 最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順
back to top