「人手不足」と外国人 (35)

「食い物」にされ続ける「幸せの国」ブータン留学生の「惨状」

執筆者:出井康博 2019年6月24日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
ナワン・トブゲイ弁護士(左)と親たちの会代表のソナム・チェリン氏(右)(筆者撮影、以下同)

 

 タシさん(仮名・20代)が日本への1年半の留学を終え、母国ブータンへ帰国して2カ月が経つ。現地で仕事を探しているが、見つかる望みは薄い。ブータンでは若者の失業が社会問題となっている。タシさんによれば、彼女と同様に日本から戻った留学生も、多くが仕事に就けていないのだという。

「日本への留学は完全に時間の無駄でした。希望していた大学院への進学はできず、日本語も上達しなかった」

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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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