ソロモン諸島・キリバスの「台湾断交」は総統選への中国の仕掛けか

執筆者:野嶋剛 2019年9月24日
カテゴリ:
ソロモンとの断交を受け記者会見に臨んだ蔡英文総統(C)時事

 

 9月16日夜、南太平洋の島嶼国家、ソロモン諸島が中華人民共和国と国交を結ぶ方針を決めたことを受け、台湾の蔡英文政権は、外交関係を36年間にわたって維持してきたソロモン諸島と断交することを発表した。

 会見した台湾の吳釗燮外交部長は苦渋の表情を浮かべながら「台湾とソロモン諸島の36年間の協力関係を無視した誠意なき決定だ」とソロモン諸島の決定を批判した。

 さらに20日には、同じく太平洋のキリバスが台湾との断交を表明。わずか5日間に2カ国の断交となり、台湾が外交関係を有する国は史上最少を更新して15カ国となった。2020年1月に控えた台湾総統選において、再選を目指す蔡英文総統に対するプレッシャーをかけるため、中国の建国記念日(10月1日)や台湾の建国記念日(10月10日)が重なるこの時期に、中国が狙って断交工作を仕掛け、成功に導いた可能性が高い。

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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、「台湾とは何か」(ちくま新書)。訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。最新刊は「タイワニーズ 故郷喪失者の物語」(小学館)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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