実現困難でも邁進する「一帯一路」で世界制覇

雲南省西端の芒市には「中国でインド洋に最も近い都市」との看板がある(筆者提供)

 

 習近平政権が対外政策の柱とする「一帯一路」は、たしかに政策的にも大雑把で大風呂敷と見紛うばかりであり、その手法は強引に過ぎ、費用対効果の面からも多くの問題点が論じられている。関係諸国を「債務の罠」に陥れる危険性は大と指摘され、政権が掲げる「中国の夢」は破綻必至とまで酷評する声も聞かれる。

 だが、そうであったとしても、すでに中国発の列車はユーラシア大陸を西に進み、ドーバー海峡を越えてロンドンに乗り入れている。中国が「泛亜鉄路」と呼ぶ高速鉄道路線の建設に見られるように、東南アジア大陸部においては紆余曲折を経ながらも、「一帯一路」は前に向かった歩みを見せる。この事実を軽視すべきではない。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
樋泉克夫 愛知県立大学名誉教授。1947年生れ。香港中文大学新亜研究所、中央大学大学院博士課程を経て、外務省専門調査員として在タイ日本大使館勤務(83―85年、88―92年)。98年から愛知県立大学教授を務め、2011年から2017年4月まで愛知大学教授。『「死体」が語る中国文化』(新潮選書)のほか、華僑・華人論、京劇史に関する著書・論文多数。
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