新・マネーの魔術史:未来篇 (12)

「ブロックチェーン」と「スマートコントラクト」で事業を自動化

執筆者:野口悠紀雄 2019年12月5日
リブラ公式HPより

 

 ブロックチェーンを用いると、管理者や経営者なしに、事業を自動的に進めることができる。ビットコインは、その最初の例だった。ブロックチェーンは、いまに至るまで、1度も事故を起こしていない。

「仕組みは成功」だが

 ブロックチェーンを用いれば、書き換えができない記録を残せる。

 これとスマートコントラクトを組み合わせると、事業を自動的に運営することができる。

 ここで、「スマートコントラクト」とは、コンピュータのプログラムの形に書くことができる契約のことだ。事業の進め方がそこに書かれているので、これに従えば、人間が恣意的な判断を下さずに、コンピュータが自動的に契約を実行できる。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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