ジョージア・ワイン・ルネッサンス(2)クヴェヴリの秘密「唯一無二の魔法のタイムマシン」

執筆者:前田弘毅
2019年12月9日
カテゴリ: カルチャー
エリア: ヨーロッパ
クヴェヴリ造りも1年がかりの大仕事(筆者提供、以下同)

 

 今回は前回に引き続いて、ジョージアを代表するクヴェヴリワインの醸造家、ジョン・ワーデマンの講演をもとに、ジョージア・ワインの秘密に迫りたい。その核心は「クヴェヴリ」と呼ばれる甕である。

 2013年にユネスコの無形文化遺産にジョージアの伝統的なワイン造りが登録された際も、「クヴェヴリを利用した製法」と明記された。もっとも、わずか十数年前にはクヴェヴリ製造の存続自体が危機に瀕していた。ジョージア・ワインの「復活」はクヴェヴリそのものの「復活」とほぼ同義であり、それはジョージアの伝統の再生とも重なる。クヴェヴリこそ、ジョージア伝統文化の1つの象徴なのである。

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執筆者プロフィール
前田弘毅 首都大学東京人文社会学部教授。プリンストン大学近東学部客研究員。1971年、東京生まれ。東京大学文学部東洋史学科卒業、同大学大学院人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。大学院在籍中にグルジア科学アカデミー東洋学研究所に留学。北海道大学講師・客員准教授、大阪大学特任助教・招へい准教授、首都大学東京都市教養学部准教授などを経て、2018年より現職。著書に『多様性と可能性のコーカサス』(編著、北海道大学出版会)、『ユーラシア世界1』(共著、東京大学出版会)、『黒海の歴史』(監訳)『コーカサスを知るための60章』(編著)『イスラーム世界の奴隷軍人とその実像』(ともに明石書店)、『グルジア現代史』(東洋書店)など。ブログはこちら【https://www.hmaeda-tmu.com/】。
執筆者プロフィール
ジョン・ワーデマン ジョージアを代表するクヴェヴリワイン「フェザンツ・ティアーズ」の共同設立者。1975年12月4日、米ニューメキシコ州サンタフェに生まれる。画家を志し、メリーランド芸術大学(MICA)を卒業後、モスクワに留学。スリコフ美術学院在学中にジョージアを訪れ、後に移住。現在は「フェザンツ・ティアーズ」の他、レストランも経営している。
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