「ブルドーザー」と呼ばれた大統領:ジャック・シラクとフランス政治の変遷(下)
それはまさしく、進取の気性に富む新しもの好きのジャック・シラクの性格そのものであり、シラク時代はその試行錯誤だった。しかし時代はもはや、フランスがその存在感を単独で謳歌できる様相ではなかった。
シラク大統領は、アメリカの「一極化」とグローバリゼーション(アメリカ的標準化)が加速化されていく国際社会において、フランスのプレゼンスをいかに示していくのか、に腐心した。そしてシラク大統領は、ポスト冷戦時代を二極から多極(マルチポラリティー)世界への変化と捉えた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン