「ブルドーザー」と呼ばれた大統領:ジャック・シラクとフランス政治の変遷(下)

9.11では真っ先に弔問のため訪米したが、イラク戦争には断固として反対した(C)AFP=時事
それはまさしく、進取の気性に富む新しもの好きのジャック・シラクの性格そのものであり、シラク時代はその試行錯誤だった。しかし時代はもはや、フランスがその存在感を単独で謳歌できる様相ではなかった。
シラク大統領は、アメリカの「一極化」とグローバリゼーション(アメリカ的標準化)が加速化されていく国際社会において、フランスのプレゼンスをいかに示していくのか、に腐心した。そしてシラク大統領は、ポスト冷戦時代を二極から多極(マルチポラリティー)世界への変化と捉えた。

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