新・マネーの魔術史:未来篇 (21)

2017年「ビットコイン」分裂

執筆者:野口悠紀雄 2020年2月13日
エリア: その他
リブラ公式HPより

 

 2017年の夏に、ビットコインの仕様改善を巡って複数の提案が対立した。この背景には、関係者間の利害対立があった。7月に調整ができたと思われたのだが、8月に新しいビットコインが誕生した。

ソフトフォークで仕様変更ができる場合

 ビットコインの仕様を変更しようとする場合、どんなことになるか?

 まず、関係者の合意が成立して新しい仕様に変更する場合には、当然のことながら、問題は起こらない。

 合意がえられない場合には、どうなるか? この場合には、複数の仕様のビットコインができてしまう可能性がある。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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