岩瀬昇のエネルギー通信 (278)

「需要回復」「生産減少」で「油価上昇基調」は安定するか

経済活動が再開し、こうした渋滞も復活すれば油価も……(写真はイメージです)
 

 思えば4年前の2016年1月、「NYMEX」(New York Mercantile)のWTI(West Texas Intermediate)原油が30ドル割れを記録した。

 そして今、ふたたび30ドルが1つの目安となっているという。

 この4年間を簡単に振り返ってみよう。

 2016年1月、WTIが30ドル割れを記録したのは、筆者の処女作となる『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか』(文春新書、2014年9月)を書き終えて、日本人のエネルギーリテラシーが低いのはなぜなのだろう、そもそも日本はどのような石油政策を採って来たのだろうかと疑問に思い、明治以降の歴史と実態を1年ほどかけて紐解いて書いた『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』(文春新書、2016年1月)が書店に並ぶ直前だった。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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