「新型コロナ」で岐路に立つ「キューバ」2度目の経済大危機(下)

執筆者:山岡加奈子 2020年5月22日
タグ: 新型コロナ
エリア: 中南米
今年のメーデーは革命広場も閑散としていた(C)EPA=時事

 

 1991年のソ連崩壊による経済危機以来、キューバ政府が経済改革を行ったのは、主に2回のみである。

 1回目は危機初期の1993~94年で、外資導入や自営業解禁、ドル所持解禁、農民自由市場の再開などが実施された。

 2回目はラウル・カストロが最高指導者に就任した直後の2008~2011年で、公務員のリストラ、出国許可制廃止、24カ月までの国外滞在自由化、抑制されていた自営業の促進、非農業部門国営企業の協同組合化などが行われた。

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執筆者プロフィール
山岡加奈子(やまおかかなこ) 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア経済研究所 主任研究員。早稲田大学法学部卒業後、シカゴ大学大学院国際関係学科修士課程を経て、1989年にアジア経済研究所(現・日本貿易振興機構アジア経済研究所)に入所。地域研究センター・ラテンアメリカ研究グループ主任研究員を務める。1994年~1996年に在ハバナ海外派遣員(キューバ共産党中央委員会付属アジア・オセアニア研究所客員研究員)、2005年~2007年に在ケンブリッジ海外調査員(ハーバード大学ロックフェラー・ラテンアメリカ研究所および同 大学日米関係プログラム)。主な著作に『岐路に立つキューバ』(アジ研選書)、『岐路に立つコスタリカ: 新自由主義か社会民主主義か』(同)、『ハイチとドミニカ共和国: ひとつの島に共存するカリブ二国の発展と今』(同)がある。
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