新・日本人のフロンティア (8)

コロナ禍における「4つのチャレンジ」(下)

執筆者:北岡伸一 2020年7月12日
タグ: 日本
「GAVIアライアンス」オコンジョ・イウェアラ理事長(右)とのオンライン会談(JICA提供、以下同)

 

 もう1度、第1の挑戦に戻ろう。

 私がこういう研究を始めたのは、コロナが世界史的な事件であると考えるからである。豊かで優れた医療を持つ欧米の国々で、これほど感染者、死者が出たのは例がない。第1次世界大戦後に国際連盟ができ、また第2次世界大戦後に国際連合ができ、ブレトン・ウッズ体制ができたような大きな変化が必要になるかもしれない。こういう考えから、今後の世界のあり方について、内外の有識者やハイレベルの実務家と議論しようと思ったのである。

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執筆者プロフィール
北岡伸一(きたおかしんいち) 東京大学名誉教授。1948年、奈良県生まれ。東京大学法学部、同大学院法学政治学研究科博士課程修了(法学博士)。立教大学教授、東京大学教授、国連代表部次席代表、国際大学学長等を経て、2015年より国際協力機構(JICA)理事長、2022年4月よりJICA特別顧問。2011年紫綬褒章。著書に『清沢洌―日米関係への洞察』(サントリー学芸賞受賞)、『日米関係のリアリズム』(読売論壇賞受賞)、『自民党―政権党の38年』(吉野作造賞受賞)、『独立自尊―福沢諭吉の挑戦』、『国連の政治力学―日本はどこにいるのか』、『外交的思考』、『世界地図を読み直す』など。
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