【特別連載】米大統領選「突撃潜入」現地レポート
【特別連載】米大統領選「突撃潜入」現地レポート (17)

「フロイド事件」抗議デモで燃え上がる「ミネアポリス」の夜(下)

執筆者:横田増生 2020年8月23日
エリア: 北米
事件現場にロウソクを供える追悼者たち(筆者撮影、以下同)
 

 ジョージ・フロイドが殺害された雑貨屋の前に置かれた献花の前で祈るように座っていたのは、ヘレン・ディルマン(22)だった。

 彼女の話を聞いたのは、6月2日の夕刻のことだった。

 隣町のセントポールにある大学の3年生だという彼女は、座り込みをはじめて4日か、5日目になるという。

「連日のようにここに通っているうちに、日にちの感覚がなくなったのよ。大学は、新型コロナウイルス以降、授業はないわ。白人には特権(white privilege)があるのよ。同じような状況で警察と向き合っても、威嚇的な行動をとられることは少ないわ。特に女性はね。だから、夜間外出禁止令が出た後に、私がここに座っていることで、警察がこの場所に入ってこないようにしているのよ。微力だけれど、私にできるのは、この場所にできるだけ長くいること。昨夜は、午前1時までいたわ。ジョージ・フロイドの事件についてどう思うかって? これは本当に、氷山の一角(cherry on the top)にすぎないのよ」

カテゴリ: 政治 社会
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
横田増生 ジャーナリスト。1965年、福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て米アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号を取得。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め、1999年よりフリーランスに。2017年、『週刊文春』に連載された「ユニクロ潜入一年」で「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」作品賞を受賞(後に単行本化)。著書に『アメリカ「対日感情」紀行』(情報センター出版局)、『ユニクロ帝国の光と影』(文藝春秋)、『仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』(小学館)、『ユニクロ潜入一年』(文藝春秋)、『潜入ルポ amazon帝国』(小学館)など多数。
フォーサイトのお申し込み
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top